八起ニュース 2002/12/03

モノ・マガジン12月16日号に掲載されました!
263ページ、「女王様のメニュー」をご覧あれ!!

「ロマンスカーに乗って焼き肉食べに行かない?」と女王様を誘ったのは、誰あろう岡田斗司氏であった。ロマンスカーだぁ?といぶかるる私に「泣くよ。美味すぎて」とまで仰る。ならばと重いお尻……ならぬ重い腰をヨイショと上げて向かった先は、はるばる来たぜ相模大野。駅前商店街を抜けて数分のところに現れたその店で、今度は女王様、腰を抜かすことになる。だって美 味いんだもん。(感涙)。みよ、このカルビを。生で食べたって大丈夫というくらいの上質で新鮮な肉。サッと炙れば、白い脂の部分がトロリと溶けて、口の中で甘みが弾ける。肉は軟らかすぎず、カルビの歯ごたえも存分に味わえるが、喉を通るその瞬間は、まるでとろけるよう。注文が入ってから一枚一枚手切りし、肉本来の旨さを損なわないようにタレモミはしない。焼き台の上に溢れんばかりのこの量で一人前780円。都内では考えられない価格である。そしてこのメニュー。店の歴史を物語るかのような煙ですすけた手書きの文字、これもまたこの店の強烈な個性である。何度も書き換えようかと思ったが、そ の度に常連客に止められた。この字を見てるとわくわくするの、と客のひとりが言ったという。なんだかすごく美味しいものが出てくるような気がして。ならばとご主人もこのままにする。だから当然、もう何年も値段は据え置きのままだ。「やすくて おいしい  きがるなお店」がキャッチフレーズのこの店は「八起(やおき)」。その名前には「どんなにつまずいても、必ず挽回する」というオーナー夫婦の心意気も込められている。この地で開業して四半世紀。どんなに繁盛しても、場所も変えない、店も大きくしない。それでも遠くから、毎晩大勢の客がやってくる。もうもうと煙に巻かれながら、みな幸せいっぱいという顔で焼肉をがっつく。電車賃を払っても、お釣りがくるくらいの満足間違いなし。今週の週末はうんと空かしてロマンスカーに乗っていただきたい。

モノ・マガジン12月16日号より抜粋